散歩道<2934>
仕事力・坂本龍一(2)・「甘ったれるなよ」 (1)〜(2)続く
巨大な才能に自分を投げ込む。
大島渚監督から「戦場のメリークリスマス」に役者として声をかけられたがその後、映画音楽をやったことのない自分ではあるが、その背景音楽を何とかやれるんではないかと思い、自分からやらせて欲しいと申し出た。監督と考えていたことが全く一致し、映画監督はOKを出してくれた。次に、「ラスト・エンペラー」出演の依頼が来た、ベルナルド・ベルトルッチ監督は、溥儀が満州皇帝に即位する場面に、生の音楽を入れる依頼を受けた。撮影終了後、こん度は、「ラスト・エンペラー」の音楽を作れと言われた、それも1週間で作るように、これは元々無理難題です。そういう仕事を引き受けてやることが自分の限界を広げる重要な機会になるのです。
誰かの応援を待たない。
自分のやりたい本当のところは自分しか分からない。自分でしか探し出せないからこそ、その仕事は輝くのです。世間から評価されたりスポットを浴びたりするのは簡単であっても、それ以前に自分の努力や生き方があることを分かってほしい。なるべく自分らしい大きな可能性をつかむには、時間も迷いも必要です。自分がもがいて、ある仕事に就く、その立場で何が出来、世の中がどんな風に見えるか、正直に何を感じるのか、そういう一つ一つのことが大切です。仕事も生き方も同じです。甘えないというのは、自分をごまかさないこと、既成の価値観ではなく、自分は自分だと覚悟することです。
'09.4.19〜'09.5.17.朝日新聞・音楽家・坂本龍一氏
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