散歩道<290>
仕事力 村上龍・仕事・自分は何をしたいのか
若者達の就職率が低迷しているのは当然だと思います。公的機関主導で、若者達の失業、休業、無業対策が始まっていますが、ただ、今もその基本は「会社紹介」です。会社だって大変な競争にさらされていますから誰でもいいから新人社員がほしいというところはないです。これまでの作品のせいでしょう、教育に関係があると思われテレビ討論会の会議に出て、いつも違和感をかんじます。何時も何人かが集まって話すテーマが、日本の教育という大きなくくりのマクロのものになってしまう事です。親御さんや、学校の教師が参加し、話が始まって親はいじめや不登校について語り、学校教育を何とかしてほしいという。高校の教師は、生徒が教室で暴れまわって授業にならないから何とかしてほしいという。ただマクロ教育の見ると最後は法律を変えるとか、システムを変えるという話になってしまう。それは官僚や政治家の仕事で下手をすると10年くらいかかります。
私はフリータに未来はないと言ってきました。フリーターでビジョン持っている人は未来が無いと言われても気にしない。本当は不安なのに何とかなると思考停止している人がいる。正当な不安を持った方がいい。不安がないと人間物を考えない。社会や世界がどのような仕事や職業で成立しているかを知って世界と接していくのは仕事なんだと子供が知ればいい。世界と主体的にかかわるというのは主体的に情報にアプローチするということだ。若さというのは資源だ。若者や子供に未来があると言うのは時間という資源を持っているからで、それ以外にはありません。子供がもっている膨大な時間はその子供の好奇心の対象を探す為に、そして探した後に、その対象を通して社会や世界を知るために使った方が合理的ではないでしょうか。好奇心の対象が見つかれば学ぶことの重要性が自然に解ります。自由を得るには経済的な自立が絶対的に必要です。私は本の中で繰り返し、自分の人生は自分で決めるものだと書いています。自分の好きな仕事で経済的に自立し、1人ひとりの自由を獲得してみたらと言いたいのです。大人になると働いて金をかせがなくてはならない。だったら、いやな仕事よりも好きな仕事の方がいいに決まっている。そういうことです。
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