散歩道<2865>
経済気象台(422)・今こそ政府の出番
このところ生産が急落状態にある。昨年11月からの4ヵ月の間に、生産水準は3割以上も下落する事態となっている。輸出の急落が主因だ。この結果、昨年第4四半期の生産は前年比11.9%もの大幅減少となり、これだけで当期のGDPを約3%減少させることになる。さらに今年第1四半期にいたっては更に20%もの歴史的な大幅減少が予想され、一段と製造業の危機が深まる模様だ。
既に企業業績は下方修正が続いているが、短期間に生産水準が3割も下落すれば、ほとんどのメーカーでは損益分岐点を下回り利益が出なくなる。しかも、震源地の米国でいつ需要が下げ止まるのか、全くめどが立たない。そうなると設備投資計画も雇用計画も立たなくなる。輸出関連を中心に、昨年12月だけでも失業者が34万人も増えた。今後は失業者が加速的に増えそうだ。
こうした時こそ政府の出番だ。民間任せでは先が見えない分だけ収縮圧力が強まる。政府は一時的に需要を追加して痛み止めを施しながら、一方で今後の需要拡大分野を描き、産業界にピジョンを与えるのが望ましい。今回の景気悪化は、単なる循環的な過剰が原因ではない。世界の金融危機により、断層的に需要が急減したことが大きい。本を正せば日本の低金利、円安政策が欧米のバブルを醸成し、それを背景に日本は輸出依存を倍増させた。だから政府の責任も大きい。
税金投与による企業救済には限界がある。政府に求められているのは、カネよりも知恵と指導力だ。日本の技術や特性を生かした将来の成長分野を青写真で示し、制度やルールの制約を調整する指導力が必要になる。選挙戦略のためにカネや労力を消費している場合ではない。
'09.2.6.朝日新聞