散歩道<285>
大前健一様・仕事について
仕事を生き抜く力
本当に面白い仕事やそうでない仕事があるのか、私はそうは思わない。どんな仕事からも必ず学ぶべきものはある。例えば今、ひどい上司の下にいたとしよう、この上司と、とことんいやがられても付け合ってこの上司の限界を知ることは勉強になる。与えられた仕事に文句をいうべきではない。全てはチャンスと考え、できれば、この経験を「これを学べたと」文字に残しておこう。良い上司に巡り会えたら、逆境の中で成長するチャンスはない、というぐらいの発想が必要である。相手に興味を持って、その会社の為に仕事をしようと一生懸命に成ることだ。仕事をえり好みすれば好き嫌いで終わってしまう。会社を辞めたいと思ったときは1年と時間を区切って学べるだけ学ぶこと、そうして自分が思っていることをどんどん提案する(自己中心でなく会社の為にという提案が鍵である)、仮説をきちっと建てられるかどうかは能力を見極める上で重要な要素である。何か文章に残すこと。知的に怠惰にならないことが最も大切である。希望の会社に入ったら入社3ヶ月が勝負である。人材を求める時に、この人は何ができるのか具体的に知りたいものである。自分は何を何処までやれるか説明できなくてはならない。例え転職を考えなくても普段の仕事にやり方、考え方を能力として説明できる方向に振っていくべきだ。一流企業の課長という役職でなく、この分野のこの業務を何年で達成したかという、他社の人間が見てもはっきりと何の仕事が何処までできるか、能力の全体像をつかめるように記述しておく。常に自分のやる仕事を文章化して棚卸する、さらに3年、5年と能力のレパートリーを確実に増やしていく。多くの人に面接してわかったのは、彼等のほとんどが会社に対する猛烈な失望感と怒りを持っていることであった。40歳になったら、自分の姿を鏡で見る。ここで何としても頑張らなくてはいけないのであれば勉強をもっとする以外にない。ここでスキルを磨く事も必要である。部長という名札でなく労働市場で値札のつく自分になることだ。40歳で自分を見つめなおすのは今まで何の疑いもなく走ってきた自分が、本当は何をやりたかった人間なのかを問う試練である。別の生きる道もある(仕事よりゆとりという選択眼もある)、人生の後半に活躍する生き方があることも考える。沽券(こけん)や虚勢を静かに突き抜ける。
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