散歩道<2804>

                         経済気象台(416)・財界・学界をしかる

 景気は予断を許さない状況になってきた。トヨタ自動車までが赤字転落というにいたっては、混乱は増大する一方だ。
 混乱は政治の責任ではあるが、同時に経済界、学界の責任もまた大だ。政府の経済財政諮問会議が発足して以来、多くの企業関係者、大学関係者が、規制緩和を中心に政策立案にかかわってきた。
 確かにサブプライム問題に端を発した世界経済の激変はあった。しかし、目指した経済改革は、次なる時代への挑戦と銘打ってきたのではなかったのか。わずか数年で崩壊するような政策をつくった責任から逃れるわけにはいかないだろう。
 揚げ句の果てが雇用削減である。かっての日本の経営者は終身雇用を当然とし、そのことに最大の責任を感じたものだ。雇用削減をもって不況の第一対策とするような経営者は、人々を解雇する前に自らを解雇すべきであろう。
 「経営に責任があり、敵前逃亡はできない」などの口実は本末転倒だ。
 その昔、日本は経済は一流
*1、政治は三流といわれ、一流の経済が日本復活の主役を果たした。
 松下幸之助は良く「財界人は政治に手を出すべきでない」と語った。財界人の本分は、自らの会社を繁栄させ、そこに働く人々を豊かにし、税金を払うことで社会と国家に貢献することにある、というのだ。
 自分の会社すら経営できない人に国の経営ができるはずもないのであって、財界人はすべからく本分に帰るべきだ。学者もまたしかり、大学はいま、経営危機にある。人材育成という本業にこそ力をいれるべきではないか。財界、学界ともに本分に徹することこそが最良と心得るべきだ。

'09.1.17.朝日新聞

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