散歩道<2799>a
経済気象台(413)・政治危機というリスク
世界経済は、金融危機、経済危機、に大きく揺れながら2009年を迎える。震源地の米国では、個人消費や住宅建設が不振を極め、戦後最悪の不況となる可能性が大きい。
しかし一方で、政策対応も果断である。FRBは、流動性の大量供給、ゼロ金利政策による信用収縮の緩和に加え、住宅ローン関連資産などの買い取りによって、民間の信用リスクを吸収している。政府は、公的資本を金融機関に注入した。さらにオバマ次期大統領は、就任後すぐに、公共投資、所得減税、産業育成を中心とする8500億j(GDPの6%)景気刺激策を実施し、300万人の雇用を創出しようとしている。
それによって、市場のパニックは収まり、景気も09年末ごろには底が見えるという期待が生まれつつあるようにうかがえる。実際、金融機関間金利は低下し、住宅ローン市場にも動意がみられる。不況が深刻化している割には、株価も底堅い。果断で迅速な政策対応が、金融・経済危機の歯止めとなりつつある。
一方、急激な景気悪化に見舞われている日本はどうか。総額75兆円、真水12兆円(GDP2%)の景気対策も、選挙を見据えた与野党の睨(にら)み合いから、いつ国会を通り、いつどれくらいの効果が表れるのか、ほとんど見えない。「安心実現、生活防衛」(政府)、「国民の生活が第一」(民主党)というコピーは、看板倒れに終わっている。その間にも、輸出や生産はかつてない落ち込みとなり、派遣社員の解雇は続き、消費者心理は急速に冷え込んでいる。 政治決断が危機を救うという米国とは対照的に、日本では政治危機が金融・経済危機を深めるリスクが高まっている。
'08.12.30.朝日新聞