散歩道<2774>

                       けいざい・ノート金融危機が与えた宿題(2)                    (1)〜(3)続く
                   経済学は現実に無力か  新しい理論生む契機に

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 今、世界的な金融危機は、経済学にも大きな動揺を与えている。経済学のパラダイムが、大きくシフトするかもしれない。
 昨年末、あるセミナーでポンペウ・ファブラ大学
(スペインのジョルディ・ガリ教授は「経済学に対する宿題」を指摘した。ガリ教授は、最近のマクロ理論の指導的な研究者の一人である。
 彼は、最近の理論には今回の世界的な金融危機を扱うだけの能力がないことを率直に認め、次のような課題を挙げた。
 金融危機では、問題の中心は銀行などの金融機関である。ところが、マクロ理論では、銀行、証券、保険会社などの金融システムがほとんど無視され、省略されている。
 また、現実の危機では、不動産や株式など資産価格が下がったことで不況が急激に悪化している。だが、資産価格も標準的なマクロ経済モデルでは十分に扱えない。

'09.1.31.経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏

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