散歩道<2732>
私の視点・今年の「格差」・新たな暮らし方模索を(1) (1)〜(2)続く
昨年後半からの急激な景気の冷え込みはしばらく続き、「格差」「貧困」「失業」といった問題は昨年以上に深刻化するだろう。政府や企業は、これを口実にいっそうの人員整理や医療福祉予算の削減、将来の増税ももくろんでいるようだ。
これに対し、状況を打破しようとする政治運動が活発化している。「貧困ネットワーク」や「フリーター全般労働組合」のように、旧来の政党組織や労働組合とは異なる、フリーター、派遣労働者など非正規雇用労働者を中心とした運動は、引き続き大きなうねりとなって拡大するだろう。
しかし、現状は楽観できない。圧倒的な経済困窮の中で人々は自分たちの生活を防衛する必要に迫られている。
ここで重要になってきているのは、「今年はどうなる」という受動的な予想ではなく、」自分たちが「今年はどうする」という能動的な視点である。
これには二つの方向がある。一つは、政府や企業に対する厳しい怒りの行動となって表れる。労働争議は一層激化するだろう。今年の総選挙は結局こうした批判にきちんと応えられるかどうかが争点になる。また、不当な「雇い止め」や「解雇」によって利益優先主義を続けようとする企業は、広範な消費者運動やメディアの批判ににもさらされる。企業の社会的責任がますます問われるようになる。
'09.1.6.朝日新聞・東京芸術大准教授・毛利 嘉孝氏