散歩道<2712>

                         面白い話(193)・数寄(すき)エロ・グロ

かたえくぼ偽装ミンチ:牛頭豚肉・・・・・・・・・・・・・・・・・・無頼漢(我楽多)

1、数寄(すき)
 茶の湯を飲んだり花鳥や書画を骨董を楽しんだりする風流な意味に用いられているが、この言葉は「石を寅と思って満身の力を込めて射たところ石に箭
(や)が立った」という伝説で有名な射術の名人李広(りこう)が黄河を越えてとおく匈奴を征服して、いよいよ最後のときのありさまを「老いて数寄」と批評した言葉が史記の李将軍伝にあるところから生まれたものである。それで、元の意味は、幸運に恵まれない境遇にあるということである。我が国では平安時代の末ごろから、すでにつかわれていたとみえ、そのことは色葉字類抄にのせられていて、足利時代のなかごろからおもに茶人などに使われる言葉となった。それについて山岡俊明(1780.10.)は「すきは『好』字を訓(よみ)て、元は好色のことなり、それが転じて芸能詩歌のうえにも執心するをすきといへり。すきものとういがごときは好事の人をいう。これは好色あれども、必ずそれに限らず、後世現代は茶家のひとを数奇といひ、その家を数寄屋というは又一転なり。『数奇』は音(おん)にして古代の語にあらず」という解釈をしている。日置昌一氏
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2、エロ・グロ
 ストリップ劇場の前のあくどい泥絵具の看板をみていると煽情的なものばかりでなく、一種の奇妙な感じに襲われるこんな意味のことを、エロ・グロというのである。エロはギリシャ神話の性愛の神エロスからでたことばであって、エロティツクErotic
(色情、性欲的な)、エロティシズムEroticism(恋愛感情)が日本の色(いろ)と意味が相通じるところから「エロ」と訛(なま)ったもの。またグロテスクGrotesqueから出たことばで、もとは人間とか動物の姿カタチを花や木の葉といっしょに図案化した絵や彫刻のことをいったものであるが、普通は不自然、不合理、奇怪、異風な怪物性の意味につかわれている。日本では昭和45年(1929−30)ごろからこのことばが用いられはじめ、いわゆる エロ・グロナンセンスが流行した。しかし、当時の支配階級は民衆の政治的なまなざしをおさえるためにこの傾向を利用した風があり、くだって敗戦後も民衆の絶望的な享楽主義から再びさかんな エロ・グロ時代となったが、これもやはり為政者のある狙いと利用が生み出した向きがないでもない。日置昌一氏