散歩道<270>
仕事力・梅原猛様・仕事についての意見
仕事は日本人の生きる歓び
日本人の伝統的な労働間は苦しみも分かち合えることです。理想的な会社は労働が楽しいと意識できる会社です。日本の社会は苦しみは皆で分かち合う社会です。14〜15世紀にイタリアで起こったルネッサンスに端を発した近代科学技術文明は発展してきました。この時、近代科学技術文明は科学と宗教が抗争し科学が勝利しました。だから近代人は科学の方が宗教より重要と思っている。明治政府は廃仏毀釈を行い神仏を引き離し、両方を否定し、そして神仏を殺してしまい、宗教、神仏が人間にとって何であるかを考えることなく葬ってしまった。道徳は宗教によって成り立っていますから近代日本は道徳も殺してしまったと言えるでしょう。科学技術は人間がいかに生きるべきかを教えてくれなかった。今日の日本人の底知れない不安、あせりの要因はそこにあります。アメリカはグロバリズムなどといって国家全体主義をかざしています。M社やW社などは一流の企業一流の経営者であるのに不正会計をやっている。M社やW社がつぶれたらアメリカ経済だけでなく世界の経済の危機になって、資本主儀全体を危うくしてしまう、今世界が一番深刻な問題です。その所を十分理解して欲しい。自利利他という思想、自分のためと同時に他人のためにもなるようにという生き方ですね。これが一番今必要です。母心を私は道徳の根源と思っています。企業と道徳とは切り離せない。苦境のある時は忍辱(にんにく)と思って忍んで下さい。職場は債務の関係、家庭は愛の関係。人から信を得るためには、仕事に答える。与えられた責務に答える。という積み重ねで出てくる。日本人は労働の場に楽しみや徳を見出せる、働く誠意と家族があれば人生には光がさします。晴れない雨はないのです。
(朝日新聞'03.7.27-8.24)、
関連記事:散歩道<259><260>に仕事について,
備考:M=エンロン、W=ワールドコム
備考:哲学者の梅原猛さんが'19.1.逝去されました。ご冥福を祈ります。