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紙上特別講義・学力(1)・創造性(2)・学力(3)(投書)
創造性(2)
創造性(2)について:私が73年米国の大学院に進学したとき驚いたのは授業の「詰め込み」の激しさでした。最初の2年間は数学や経済学など大量に勉強させ、短期間で一気に難解なレベルまで引き上げる、試験も頻繁に行なう、最終試験に通った者だけ「さあ、創造的な論文を書け」といわれる。勿論苦しみます、でも厳しいトレーニングのおかげで未解決の問題に挑戦する実力がついたのです。スポーツが良い例です。地道な基礎練習を怠っては良いプレーはできません。芸事の世界も基礎・基本から始め、やがて自分の芸を作り上げます。同じことが学問の発展についても言えます。私は複雑系経済学をやりました。経済学には英国のアダム・スミス以来200年以上の積み重ねがあります。その枠組みの延長線上で、新しい問題を解こうとする中で複雑系経済学は生まれてきたのです。ゼロから突然生まれたものではないのです。若者についていえば、まずは知識の基礎・基本が大切です。小学校では九九を暗記し、掛け算を説けるようにする。暗記よりも創造性というだけでは九九すらおぼえられません。その為に必要なものは教科書です。私はゆとり教育で薄くなった教科書を危惧しています。記述が断片的で、理解しづらいのです。小学校で柱体の展開図などを扱わなくなり、立体の理解が苦手になっているとも聞きます。削られた分部を復活する動きもあるようですが、言葉や数と同様、空間認識も子供の時に鍛えておくべきです。私大卒業生の調査で入試に数学受験をした人の方が高収入との結果が出ました。推測ですが、論理的思考が出来る人の方が社会で広く必要ととされるのではないでしょう。
'05..11日,.朝日新聞、西村和雄京大教授
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