散歩道<2581>
社説・株価急上昇・反発力を次への布石に(2) (1)〜(2)続く
ただ、米当局が強調するように、資本注入で信用収縮がすんなり反転するかどうかは不透明だ。救済法の大胆な拡大解釈で注入することには議会の反発があるなど、実現への難問も残る。打開に手間取るようだと、市場が失望して混乱へと逆戻りしかねない。
また実態経済面では、住宅など資産価格の世界的な下落基調がやまないかぎり、悪化に歯止めが掛からない。G7各国は経済や財政の状態に応じつつ、景気が冷え込まないよう万全の目配りをしていることが必要だ。
日本も政策の総点検を急がなければならない。中小金融機関への資本注入を容易にする金融機能強化法を復活させるよう、与野党が協力する方針だ。金融機関から注入の希望がなくても、必要なら強制的に注入して混乱を未然に防ぐなど、復活と同時に制度の機動性を高める必要があろう。
日本は90年代後半の金融危機で、銀行の一時国有化や預金の全額保護、銀行間の資金取引への政府保証などを設けた。いま欧米が先を争うようにこれらを導入しているが、日本では危機が去り撤廃されたものも多い。いまのところ日本の金融市場は危機に直面してはいないが、世界的危機が波及しないとも限らない。いざという時に備えて、金融破局を防ぐ方策はすべて、いまのうちから整備しておいた方がいい。
'08.10.15.朝日新聞