散歩道<2542>
経済気象台(379)・晩嬢消費
「失われた10年」と呼ばれた時代にあっても、不況の影響を大きく受けることなくたくましく消費を続けた人たちがいた。男女雇用機会均等法以降、女性が社会で働ける環境のなかで、結婚あるいは出産よりも働くことを優先していた30、40代の女性たちである。
彼女たちは誰に遠慮することもなく、仕事で得たお金を自分のために使った。以前よりも景気が回復し、さらに、30代前半で女性3人に1人が未婚となった今、可処分所得の高い働く30、40代女性向けの市場はさらに重要性を増す。
博報堂生活総合研究所・山本貴代上席研究員は、そんな彼女たちに注目し続け、00年と07年の2度の調査と取材をベースに「晩嬢という生き方」(晩嬢・晩産の30代女性)という本にまとめた。
そのなかで「晩嬢」の消費の特徴を、口実付きの消費だと分析している。欲頑張った自分へのご褒美だと言い聞かせて、ダイヤのピアスなど高価な買い物をする「ご褒美*1消費」。高価な物を買ったという罪悪感もいくぶん薄れるのだという。
一方でモチベーションを高めるという口実で20万円もするスーツなどを買う「馬にんじん消費」。ひどいめにあったのだから、その分癒されないと自分がかわいそうだという口実で2、3万円のエステに行く「悲劇のヒロイン消費」と口実も様々だ。自分を納得させながら、晩嬢消費の勢いは衰えることを知らない。
さて、資源高騰から生まれた軒並みの価格上昇によって、今以上の消費の停滞が予想される。そんなか、企業も「晩嬢」という生き方に本気で目を向け、彼女たちが買う口実をつくりたくなるような商品やサービスを考えてみてはいかがだろうか。
'08.9.2.朝日新聞
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