散歩道<2512>

                            経済気象台(370)・日の丸株式会社

 現在、世界は危機的な食料難に陥っており、その中で日本の食糧自給率は40%程度という状況である。にもかかわらず、この国は膨大な休耕田が眠っている。
 これは誰が考えてもおかしい。過日、首相が休耕田の扱の再検討を指示した、それに対するテレビなどでの閣僚らの発言の中に「簡単にはいかない」というものがあった。
 民間企業でそんなことを言っていたら、つぶれてしまうのは必至である。まさに「親方日の丸」だ。
 それでは国民は、いつまで待ったらよいのか。日本の農業を自立させるという名目のもと、過去に政府は多くの税金をつぎ込んだ。結果は失敗に次ぐ失敗で、いまだに自立のメドは立っていない。国民も農民もたまったものではない。だが、執政の責任を取った人は誰もいない。
 確かに現状を変えるのは嫌なものだ。しかし、それをやるのが国をあずかる政治家の責任だ。省益の代弁者になってしまっている閣僚も多いように見える。
 国民に選ばれたことを忘れたかのような姿に、国民の怒りは募る一方だ。毎日を血のにじむような思いで、民間はやっている。やりたいからやっているのではない。「やらないとつぶれる」から、やっているのだ。
 嫌なことは先送りする組織からは、切磋琢磨して改革する機運は生まれない。年金資金で建設された保養施設「グリンーピア」問題
*1など、民間では考えられないような経営もまたその産物である。
 国の経営は「ジリ貧からドカ貧への道」をたどりつつある。誰がこの状況を抜本的に改めるレシピを出すのか。つぎの選挙に注がれる国民の目はかってなく厳しい。

'08.8.16.朝日新聞

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