散歩道<2473>
経済気象台(361)・金融政策の重要性
原材料や食料品の値段が上昇し続けている。とくに原油先物相場は史上最高値を更新し続けている。足元の日米欧の消費者物価を見ても日本が1.5%、米国が4.2%、ユーロ圏で4%とインフレが気になる水準だ。
一方、主要国の実質GDP成長率の今年の予想は、一部中東諸国を除き、ほとんどの国が対前年比マイナスとなっており、世界は高インフレ下の低成長の状態が予想され、スタグフレーションのリスクが高まっている。
日米欧の中央銀行の金融政策はまちまちであるが、欧州連合は政策金利を引き上げ、米国もFF金利の引き下げをやめ様子見となり、日本も景気スローフェーズとの認識かつインフレに対して警戒的だ。
今年はじめから半年間の各国株式市場の時価総額ベースの騰落率をみれば、ブラジルや南アフリカを除きほとんどの諸国で下落している。とくに上海、インド、ベトナムは30〜50%も下落した。日本の株式市場は6%程度の下落でまだましなほうである。
大きな懸念は、バブル的な物価高騰が続き、最終的には世界経済を大不況に陥れるか、あるいは各国中央銀行がインフレをそうきに押さえこむために金融引き締めを実施し、各国の金利が急上昇した影響でブラックマンデーのような株の部落を引き起こして世界的な恐慌に見舞われてしまうなどの世界経済のハードランディングである。こうなれば当然エネルギーをはじめ、原材料や食料価格も急落することになろう。誰もハードランディングは望まない。
スタグフレーションの中、中央銀行の金融政策は困難を極めるだろう。G8で協調し情報を共有しながら世界にインフレ警戒をあたえつつ慎重に対処してもらいたい。
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'08.7.8.朝日新聞