散歩道<2443>
グローバル化の正体・@欧州(2)・求められる多極的協調関係 (1)〜(3)続く
○ ○米一極支配に幕
・・・・03年イラク戦争をめぐり、再統一されたはずの欧州は分裂しました。
「イラク開戦は外交上の対立以上に重要な意味を持つ、米国による一極支配の終わりを告げるものだった。宗教的であれ民族的であれ、新しい勢力やアイデンティテーの台頭に、我々が世界を組織する力を共有していないことが明らかになった」
・・・・・EUは世界規模のグローバル化に加え、域内のミニグローバル化という、二重の困難に直面しているように見えます。
「二つのレベルを、どう関連ずけて調和させていうかだ。地球規模の問題を制御して解決する、つまりグローバル化という荒馬を飼いならす政策的手段や協議機関が、我々には欠けている。それを作るうえで地域統合は必要だ。欧州にかぎらず地域に根ざしたアイデンティテーの構築は、平和のためにも、世界の経済成長が調和ある形で進むためにも必要だ」
・・・・しかし、新規加盟国から安い労働力が流入して失業が深刻化する懸念も指摘されています。
「EUが27カ国に拡大して、域内では旧東側から旧西側への労働力移動が、旧西側に心理レベルの雇用不安を生んでいる。ただ、労働力の移動は段階的に自由化していることがかならずしも理解されていない。域外からの労働力の移動は生産力向上につながり歓迎すべきだが、不法移民はマフイア的な組織が手がけることもあり、厳しく対処すべきだ。『南』から『北』への移民は、貧困の解決や開発援助と結びつけて対応しなければならない。一次産品や石油の価格が上昇し、『南』のなかでも富が偏在した。これを修復して正義にかなった再配分と調和ある発展を確保することだ」
'08.7.21.朝日新聞・前仏首相・ドミニク・ドビルパン氏
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