散歩道<2357>

                    世相(80)・2つの投書から、(1、高校生へ、 2、次世代の皆さんへ)

1、 '08.5.24.朝日新聞投書から、「バスで」”全席占領する高校生の姿に”、広島県岡山市・94才、
 全文・私はバスに乗った。たまたま下校時と重なって、既に全席に高校生の男女が座っていて空席はない。優先席も女子生徒が占領していた。数人の客が立っていて、荷物を抱えた高齢の女性もいた。足の弱いわたくしも揺れる体をつえで支えながら終点まで行った。
 この間、高校生はそしらぬ顔で、席を譲る者は一人としていなかった。わたくしはここに今の教育の現状を感じた。
 今、教育と言えば「学力」知識教育」のみである。そして干からびた情操と紙より薄い道徳心を持ち、いたずらに奸智
(かんち)にたけた人間をつくり上げている。これが今の実態ではなかろうか。
 校舎はあっても人格を形成する学校教育はない。それは塾であり、予備校にすぎないのではなかろうか。
 あの高校生たちはこの地の進学校の生徒である。彼らがやがて一流大学を経て、わが国の政治、経済界を束ねていくかと思えば恐ろしい気持ちになるのである。

2、'08.5.25.朝日新聞投書から”戦中派は問う次代どうする”、鳥取県米子市・81才、
 全文・戦中派の一人として、消え去る前に言っておきたいこと、尋ねてみたいことがある。
 かって我が国が降伏したとき、辛うじて生き残った我々の前に焦土が広がり、食べ物にも事欠き、餓死者さえ出る現実があった。その上、従来の価値観は否定され、日本史上初めて外国人による占領と支配を7年間経験した。
 そんな中で我々は力を合わせて必死で働いた。目標は「平和な社会と祖国の再建」であった。やがて日本は「一億総中流」といわれ、国民の豊かさを示す国内総生産(GDP)は世界第2位
*1となった。
 この段階を経て、我々戦中派は、社会を次世代に託して次々に退職していった。その後、バブルがきて、はじけ、アメリカン・スタンダードを金科玉条とする政治家が現れ、弱肉強食のすさまじい世となった。また、肉親間の殺人なども多発し、社会は崩壊の兆しを示している。
 現役世代に問う。
 何のために働き、何のために生き、いかなる社会をつくろうとしているのか。

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