散歩道<2342>
グローバル化の正体(3)・@戦争・対立点そらすレトリック (1)〜(3)続く
しばらくこのグローバル化のテーマを続けたいと思います!
○ ○関与後退で多発
・・・・グローバル化が、それに取り残された人々を、暴力に向かわせるとはいえないのですか。
「そういうレトリックを使うグループが生まれているのは事実だ。だが、反グローバル化の最大の主張は市場統合による格差拡大への反対であり、現実の貧困層は、大国に敵対するような大きな政治勢力とはなっていない」
「非西欧世界は民主主義の押しつけに反対していると考えるなら、それも間違いだ。日本は占領で民主主義を与えられた。とはいえ、押しつけられたという意識はどの国もそれほど強くない。むしろ自分達で作り上げた、あるいは作り上げていくという思いが強い」
「伝統文化の再定義にしても、グローバル化と背反するとは思わない。グローバル化の中で暮らしを成り立たせようとする人たちが自分たちの社会倫理を作ろうとする際に、西欧的なライフスタイルと昔ながらの価値意識の復活が、共存しながら同時に展開するという場合の方が、単純な復古主義よりはるかに多い」
・・・・アメリカがいう「対テロ戦争」も、レトリックにすぎないのですか。
「ヨーロッパに比べて中東からの移民が少ないアメリカでは、イスラムを他者とする言説が広がりやすく、彼らが自分たちとの安全を脅かしているという議論が成り立ちやすい土壌がある。しかし、それは誇張であって、問題が解決しないことがはっきりした。ネオコンと呼ばれる人たちが展開したレトリックは、一時の現象におわった」
・・・・そうすると、今も戦争や紛争が多発するのはなぜでしょうか。
「世界の周辺で起こる紛争には、どの国もかかわりたくない、冷戦期にはそれでも、相手に利用されまいと米ソが競い合って手を差し伸べたが、現在はむしろ関与が後退している。そのことが、紛争の解決をむずかしくしている」
「紛争解決は結局、問題のありかを見据えた小さな努力の積み重ねでしか、もたらされない。アメリカのデモクラシー押しつけに抵抗するとか、テロリストの国際連携を阻止しなければならないとかいうのは、現象の一部を見ていることにしかならない」
'08.4.21.朝日新聞・東大教授・藤原 帰一氏
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