散歩道<2252>
経済気象台(295)・グローバル化と消費者
恐ろしい勢いで資源価格が高騰している。投機筋のマネーによる原油の高等は旧聞に属するが、製鉄用原料の価格高騰も大変なことになっている。この度来年度の鉄鉱石について対前年65%引き上げで交渉が決着した。数年前の3倍近い。マンガン鉱石は何と昨年の4倍だという原料炭も大幅に上がるだろう。その背景には世界的な原料需要の拡大があるが、同時に資源メジャーの寡占化が大きな要因となっている。鉄鉱石は資源メジャー3社で世界の輸出シェアの80%近くだという。しかも目下その最大手が3位の会社に買収を仕掛けている。実現すればお互いの会社の株主に大きな利益をもたらすことだが原料価格がさらに高騰するだろうことは間違いない。かかる状況にあってその影響をもろに受ける我が国鉄鋼業界が厳しい状況にあるかというとそうではない。それどころかここ数年は空前の利益を上げている。それはひとえに製品価格の値上げによるものであり、好調な事業環境を背景に高騰する原料リスト以上の値上げができているということである。そうやって利益をあげ高配当を維持し株主の期待に答え株式時価総額を増加させよう・・・・その鉄鋼メーカーも世界的再編の渦中にある。基礎資材を扱う業界は原料高騰を理由に今年もこぞって値上げに走るだろう。原油を原料とする樹脂や鋼材など広範囲に使われる資材はもちろん、アルミ、洞などの値上げもいずれ消費者としての国民の負担となる。市場経済がグローバル化*1する中で、世界を駆け巡る巨大な投機的資金、株主・投資家の期待に応える企業価値の最大化を目指す企業経営、それらの帰着先としての業界再編と超巨大企業による価格支配、これらが重く消費者にのしかかり始めた。政府が力を入れたいという消費者本位の行政はかかるテーマについてはどう取り組むのだろうか。
'08.2.28.朝日新聞
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