散歩道<2218>
経済気象台(283)・不況時こそ新技術開発を
世の中が好況だろうが、不況だろうが、そんなことに影響を受けない企業経営、これが中小企業の理想的な姿である。そして決して不可能なことではない。製造業であれば新技術の開発、流通サービス業などでは新しいビジネスモデルの提案などがそのカギだ。それを支えるのが、管理技術の定着、健全な財務管理といった項目の充実といえよう。新しい技術やビジネスモデルを確立できれば、規模は小さくても業界のリーディングカンパニーだと評価される。高度成長の70年代初め、わが国はオイルショックに遭遇し、他の西側先進国とともに、経済成長路線は一夜にして壊滅した。そんな中でも省エネ・省資源技術、公害防止技術を世界に先駆けて開発し、世界から注目を浴びることになった。自動車工業を見ても、CVCCエンジンに始まった低公害技術、小型軽量化エンジン性能の向上による燃料向上がある。現在はその両方を達成したハイブリット技術*1、その上、全く故障を知らない我が国の工業品の数々と、いずれも新技術開発と管理技術が定着した成果である。テレビでも真空管からトランジスター、そしてIC.ブラウン管から液晶、プラズマ方式、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)と続々と省エネ技術が開発されてきた。排煙脱硫から始まった公害防止技術は、自動車の排ガス浄化技術と共に、我が国の大気汚染を過去のものにした。ステージは小さくても中小企業だって同じことだ。新技術の開発、管理技術の定着、資本の公開はなくても自己資本が充実した財務バランス。この三つがそろえば、小さくても世界のリーディングカンパニーになれる。そして新技術開発は環境にも必ず良い結果をもたらす。これこそが不況を乗り切る、力強い中小企業の姿である。
'08.2.1.朝日新聞
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