散歩道<2205>

                           経済気象台(274)・大阪都心部の行方

 大阪の都心部は南北に走る御堂筋に集約されている。都心部を東西に拡大したいという長年の強い願いは、いまだに実現せず、むしろ北進して新大阪駅周辺にたっしている。しかも副都心というものがない。それだけに都心部の吸引力は非常に強く、大阪だけでなく関西一円に及んでいる。その都心部の顔がキタとミナミの両繁華街である。ミナミは庶民的な界隈(かいわい)で、心斎橋筋商店街、戎橋筋商店街、地下鉄が中心。そごう百貨店が05年に再オープンし、その相乗効果で隣の大丸も活気が出てきた。難波球場跡に03年オープンしたなんばパークス(第1期)、その隣にヤマダ電機がオープン(06年3月)、さらについ先ごろ、なんばマルイが高島屋百貨店前にオープンした。このため心斎橋から難波への人通りは異常なほど活気である。ニューミナミに対し、キタは大阪駅周辺で、どちらかといえばハイセンスな阪急文化の地域である。それに、長年の課題であった梅田ヤードの開発、大阪駅改造、阪急百貨店の改造がいよいよ動き出した。特に梅田北ヤード(24f)については、先行開発が可能な第1期開発区域の、知的創造拠点となるナレッジ・キャピタルゾーン、ハイグレードな街並みと成る、よそおいのゾーンが来年度から着工される見通しである。この地域には完成すると30〜40階の超高層ビル群ができると予想される。残された超1等地の再開発だけに、期待だけがが増幅され、今後の課題を見過ごしているようにおもえる。その1つは過去、ミナミやキタを拡充すると周辺地区の商業の衰退をもたらした。第2は都心部業務地区に空洞化をもたらさないという点である。いくら御堂筋の高さを制限を緩和しても北ヤードへ引っ張られかねない。いっそうのこと、北ヤード全体をブローニューの森にすれば世界に通じる大阪の顔となるであろうが。

'06.10.31.朝日新聞

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