散歩道<2163>
けいざいノート・論争はめぐる(4) (1)〜(4)
苦い先送り、10年前にも 痛み避けず課題直視を
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現在、労働市場の問題で難しいのは、格差を是正するためには、正社員の処遇を現状よりも悪化させざるを得ないだろう、という点だ。非正規社員の待遇を向上させ、社員と平等化しようとすれば、正社員に「痛み」が発生してしまう。こんな改革をするよりも、財政資金を再配分することで、格差感を緩和し、負担は国民全体で背負う方が政治的には通りやすいわけだ。だが不良債権処理が避けられなかったのと同様に、労働市場の抜本改革は、日本がこれから長期的に発展していくためには、避けて通ることはできないだろう。労働市場の硬直性は、ただでさえ広がりつつある格差を拡大再生産し、いずれは社会不安を招きかねない。また、賃金決定のゆがみが続けば、経済成長も低迷したままだろう。低成長はさらなる格差拡大と財政赤字を生み、財政不安は将来の年金への不安を一層高めるだろう。労働市場改革は、いつまでも先送りできないのだ。
'0712.22.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏
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