散歩道<2147>

                        世相(55)・気体、液体、固体の境界線は?

 物質には、気体、液体、固体の三形態がある。中でも最も分りやすいのが、水だ。気体になると水蒸気で、固体になると氷になる。氷も水も水蒸気も、「物質」としては同じものなのだ。さらにいえば、質量も同じである。物質というものは、体積や形は変化しても、質量は一定なのだ。水と氷の質量が同じ、つまり液体と固体では質量が同じだ、というのは、何となく理解できるとして、水蒸気に質量などあるのか、と思うだろう。これがあるのだ。空気の中を水の分子が飛び回っているのが水蒸気になった状態。その体積は、かなり大きいい。日常生活のレベルでは、コップ1杯の伊豆をガスレンジにかけて沸騰させて出る水蒸気の質量を測るのはちょっと無理があるが、実験室でなら可能だ。ちなみに、ヤカンや鍋から出ている「湯気」のことを水蒸気と思っている人が多いと思うが、あれは水蒸気=気体ではない。液体なのだ。本当の水蒸気は。目に見えないほど小さいもの。それが空気中で冷やされて小さな水の固まりとなって目に見えるのが、水蒸気。軽いので空中に浮いているが、あれも液体、つまり水である。さて、液体が気体になることを「蒸発」という(「気化」ともいう)。ある人が行方不明になることを蒸発というが、これはなかなか含蓄のある言葉だ。液体が気体になる蒸発は、その物質が、「なくなる」ことではない。目に見えなくなるが、存在はしているのだ。行方不明というのも、どこにいるか分らないが、死んだとも確認できない状態である。まさに「蒸発」である。その逆に、気体が液体になるのは易しく言えば「液化」。これも専門用語だが、より難しい感じのする言葉としては「凝縮」がある。空気のなかに拡散しているその物質の分子を凝縮すると液体になるわけだ。この気体と液体の境界の温度を、沸点という。ご存知のように、水の沸点は100度Cである。液体が固体になるのは「凝固」で、固体が液体になるのは「融解」。これは、何となくイメージできるだろう。その境界の温度は、融点といい、水の場合、いうまでもなく0度C.金属も物質である以上、気体にも液体にもなる。液体の金属というのは溶鉱炉のなかのドロドロの状態をイメージすれば何となく分る。鉄の融点は1535度Cである。そしてさらに2754度Cになると鉄の沸点となり、気体となってしまう。その逆に、酸素は、マイナス182.97度がC沸点なので、その温度よりも下がらないと液体にならない。さらに下がって、マイナス218.4度になると、融点に達し固体になっていく。理系の本