散歩道<2125>

                     面白い話(174)・、鼻クソまるめて○○丹2、良薬は口に苦し
                            
1、鼻クソまるめて○○丹
 副作用がないのが特徴。 薬に対する痛烈な言葉は、いつの世にも多いが、これもその一つ、だが○○丹の名誉のために、正体をはっきりさせておこう。いろんな処方があるが、明治8年発行の富山売薬業史資料によると、その成分は、阿仙薬(あせん)530目(一目=一匁(モンメ)と同じ、3.75c)、唐甘薬(からかんぞう)250目、丁子(ちょうじ)100目、唐木香(からもつこう)、唐石膏(からせっこう)、肉桂(にくけい)、東縮砂(とうしゅくしゃ)各30目、薄荷油3目、しめて約一貫目(3.75キロ)とある。鼻クソどころか、阿仙薬、丁子、唐木香、東縮砂などは、それぞれ南洋の木の葉やつぼみ、根、実であり、唐甘薬から抽出したグリシールニジンは胃、十二指腸かいようのくすりとして使われている。富山のが有名だが、誕生の地は三重県の宇治山田だという。適応症は、暑気あたり、食当たりから二日酔、めまいにいたるまで、何でもこいだというが、それだけ効果は薄い。丸薬の形や色合いにひっかけ、薬に対する鋭い民衆の批判を表したのが、この”鼻クソ論”だ、と宮木高明千葉大教授は見る。ただ、現在の板状になり、本場富山でも、製造しているのはわずか一社だけ。いろんな名のついた同じ仲間も、段々姿を消し、全国に出回っているのは、一つ二つになった。これらの家庭薬の特色は、効き目はともかく、副作用などの害がないことだ。ここらが本領なのだが、この伝統は、現代の保険薬などの中にも生きている'70出版・ことわざ医学事典
備考:新黒丸という二日酔い・むかつきに効く薬がある。しかし、相撲部屋では喜ばれないそうです?。

                               
2、良薬は口に苦し
 クスリと聞くと顔色を変えて逃げた。「こんなにがいの、たまらんや・・・」。戦前、戦中派でなくても、マンボズボン、ミリタリー・ルック、ミニの層も小さいころに経験があるのではあるまいか。岩手県には「苦い薬は泣いて飲め」ということわざがある。ところが近頃は、色、形、味までお菓子そっくりのクスリも多い、クスリのまじったシロップをこよなくめで、母親をてこずらせる乳児もいる。
苦いのが多い漢方薬 まず、このことわざの素性を明らかにすると、中国の古書「孔子家語」に「良薬は口に苦し、忠言耳に逆らう」という言葉が出てくる。忠告には耳をかたむけるべきだ、という意味だ。以来、良薬はにがいものと相場が決ったらしい。なるほど漢方薬は苦いのが多い。とくに黄色の薬用根や葉は苦く、きき目もある。しかし、漢方医の大塚敬節さんは「不思議なことに、体に合ったクスリ、つまり、その人の病気に本当にきく薬を処方すると、にがい薬もその患者には、にがくないんだ。たとえ、にがくても飲むのをいやがらない」と漢方医学の立場を説明している。東京理科大の村上孝夫部長によると、苦味の本体はさまざま。化学構造上は、カルボニル基や水酸基を含むものに苦味質が多い。薬によっては、わざわざ苦味質をまぜるのも一例だ。苦味は胃や腸を刺激し、整腸作用がある。薬ではないが、ビールの苦味も、ビール党には欠かせない。薬の有効成分は、大半は苦味がある。だから、苦味のある物質を見つけて、「薬効があるのではないか」と研究をすすめる生薬学の方法もある
'70出版・ことわざ医学事典
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