散歩道<2113>
経済気象台(262)・主導権の問題
株価は急落後せないままサブプライムローン問題による米国経済の先行き懸念や円高で日本の経営にも次第に緊張感が高まっている。しかしその原因がこちらには主導権が無い問題として発生しているように見えるために、対応といってもしばらく様子待ちとなっている。本当にそれでよいのだろうか。米国の経済についてはかねて転機が来るといわれながら現実には予想以上に底堅く、かえって高成長を続けてきたために、今回の景気減速についても楽観的な見方が多い。しかし経営にとって重要なのはそうした楽観的な見方に立って「待ち」の姿勢を取るのではなく、厳しい事態も視野においてこの「時間」をもっと主体的に生かすことだろう。大切なのはスリムにし、非正社員の比重を増やす、というこれまでのやり方ではなく、社員の質を高める人づくりに力を入れ、それを基にして付加価値を高めることではないか。もっと人を育てることにてを打つ必要があろう。バブルからの立て直しの際に手本とした今の米国の経営には、人材を育成するという発想はなきに等しい。人の使い方としては既にある「能力」を使い、能力がないとなれば捨てる「物」扱が常識で、仕事を通していまだ開発されていない力を引き出すのは企業の役割りではないと考える。現実には人は良き縁があれば伸びる。人を人として受け止め、そこにエネルギーをかけ、生きがいや働きがいを高めて問題の発見力や創造力を発揮し、企業の総合力を高める方が、長い目で見れば勝つに決っている。その意味で、今は短い尺度を長い尺度に持ち替えるときである。その効果が生まれるまでに今必要な時間を貸し与えられている、と受け止める方が本当ではないか。そのチャンスを生かすかどうかが経営者にとっての主導権だと思われる。
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備考:この項目・散歩道<2086>気象台(244)から散歩道<2102>気象台(258)まで、サブライムローン問題を取り上げています。