散歩道<2013>
日中35年(1)・「なでしこ」の精神で (1)〜(2)続く
中国杭州で行われた女子サッカーのワールドカップで、日本代表チーム「なでしこジャパン」は観客のブーイングを浴び続けた。相手のドイツには声援と拍手がわき起こる。04年のサッカーアジア杯を思い出させる光景のなかで、なでしこは善戦むなしく敗れた。
だが、ここから意外なことが起こる。なでしこは試合後、「ARIGATO 謝謝(シエシエ) CHINA」と書いた横断幕を広げ、並んでおじぎをした。淡々とホスト国に感謝を伝えたのだ。すると、このことが中国国内で反省の声を呼び起こした。「彼女たちは感情を乗り越える勇気を持ったが、我々は依然のままだ」と、中国紙は論評を載せた。
フェアプレー精神をしっかりと受け止めたところに、中国側の変化もうかがえる。日中がどう向き合うべきか。なでしこジャパンの一件は大きなヒントを与えてくれたと思う。
日中両国が戦争からの日中不正常な状態を終わらせ、国交を回復させてから35周年を向かえた。祝賀の日に合わせ、それぞれ市街地に近い東京・羽田空港と上海・虹橋空港を結ぶ第1便が飛んだ。日中の距離がまた縮まった。
35年間に両国の経済は強く結びつき、貿易額は日米間を超えた。だが、国民感情は悪化の一途をたどってきた。日本政府の世論調査では、80年には79%が中国に親しみを感じていたが、昨年は34%だった。89年の天安門事件や05年の反日デモなどの影響が大きいようだ。
'07.9.30.朝日新聞
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