散歩道<1975>
世界を読む・グローバル化(1)・矛盾している二つの悪夢 (1)〜(4)続く
経済のグローバル化 について人びとが抱く二つの悪夢は、残念ながら直ちに誤りだと証明できるようなばかげたものではなく、これからの1年、世界経済の各局面で検証されることになる。
8月に世界を襲った金融市場の混乱から直接の悪夢は、すでに市場におけるコメントなどで焦点があたっている。それは、世界中のほとんどの国で採用されている解放された資本市場においては、1箇所の金融不安が全ての国の金融不安を引き起こすおそれである。
アジアや欧米の株式市場は互いに引きずられている。低金利と最近のキャリートレードで下落した日本円やスイスフランのように同じ性格を持つ通貨も同じ方向に動く。格付けの低い住宅ローン(サブプライムローン)を元にした債権証券の価格破綻による損失は、独、英、中国などの銀行に波及した。
1998年、東アジアの金融危機がロシアと中南米に波及し、米投資会社ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)社を破綻に追い込んだときには、悪夢はとりわけ大きかった.ここ数十年において最も偉大なファンドマネージャにして相当の慈善家でもあるソロス氏は著書「グローバル資本主義の危機」で、グローバル市場があまりに自由に放任されたので、今やみんなが一緒に破滅する運命をたどることになったと警鐘をならした。
'07.9.3.朝日新聞・ビル・エモット
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