散歩道<1964>

                        経済気象台(222)・公務員天下り規制

 公務員の再就職支援の仕組みとして人材バンク構想が伝えられている。希望者が経歴、専門性、希望職種、勤務地、希望年収等々を登録し、一方で人材を求める企業が紹介を依頼する。双方、条件が合えば再就職の運びとなる。この人材バンクで天下りの何を根本から変えようというのか。独立法人、特殊法人、公益法人、などのキャリア官僚の天下り先は既に十分に用意されている。いずれも社会的に高い地位、報酬も人一倍高いポストである。70歳をすぎると楽で報酬は保証される団体などに回っていく。全く異常な世界で、動くたびに退職金を手にする。役所を体感してからが、いざ本番と思っている人たちは少なくない。もう一方で官に群がる民がいる。役所の権限を利用したい企業群である。役所との間に人的パイプをつくろうとする。できるだけ役所の実務部隊に影響力を持つ人をもらいたい。業界団体の専務理事などもほとんどお役人である。これらの環境をそのままにして人材バンクで何が変わるのか。言い古されているが、まずやるべきは、独立法人などの縮小、廃止である。例えば昔の住宅公団が母体となっている独立行政法人都市再生機構。今でも実体は不動産賃貸業やいわゆるディベロッパーのようなものである。すぐにでも民間企業に資産を売却し解散したらよい。役割りを終えた組織が巧みにコンセプトを変え、名前や位置づけを変えながら焼け太っている。政府系金融機関の民営化や統廃合なども骨抜きにされかねない。あわせてやるべきは国家公務員法にある民間会社への公務員の再就職禁止期間を現行の退職後2年間から強化延長することである。ゆめゆめ解除などしてはならない。もしもそれらを抜きにして人材バンクを立ち上げるなら、それは恐らく官にとって最も都合のよい天下り促進機構になってしまうだろう。

'07.3.29.朝日新聞