散歩道<1891>
あしたを考えるサザビーズ北米本社副社長(2) (1)〜(4)続く
関西の美術館だめですか?
関西人は目利き
・・・・・・ということは、関西の美術館は衰退する一方ですね。
経済面では厳しいね。産業構造が戦後になって変わり、繊維産業が衰退したことが、関西や大阪の元気を奪ってきた。加えて、縫製工場などが中国など海外に次々に移転してしまったよね。だけど、美術界で目利きを生んできたのは関西なんだよ。住友家や藤田家などの財閥の当主が、自分の目で美術品を集めた。これらが、日本の財産になっている。大阪市立美術館(1936年開館)の敷地だって、住友家が本邸のあった所を美術館用地にと大阪市に寄贈したんだよ。すごいね。米国に根付ついている寄付の文化が、大阪にもあったと思うよ。
・・・・目利きはいまもいますか。
僕は若いころ、東京の古美術品店に勤めていたから分かるが、東京の美術コレクターはディラーの意見に頼って買っていた。関西のコレクターは違う。自分の目で買うんだ。東京が理屈を大事にするのに対して、関西は素養を磨くというか、本当の意味での学問が根付いていると思うよ。
'07.8.11.朝日新聞・サザビーズ北米本社副社長・蓑豊(みのゆたか)氏
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