散歩道<1858>

                           経済気象台(189)・輸出か拡大必要性

 いざなぎ景気を超える日本の経済成長を支えているのは、安定した世界経済を背景とする好調な輸出である。とりわけ日本の輸出を牽引しているのは自動車、産業機械、電子機械などの機械で全輸出の70%を占め、その割合がきわめて高いのが特徴である。世界最大の輸出国はドイツ で06年の輸出額は128兆円、続いて米国となり、中国は04年日本を抜いて3位となった。ここまでが輸出額110 兆円以上の超輸出大国である。ちなみに日本の輸出額は75兆円である。しかも上位3カ国の輸出の伸び率は日本を大きく上回り、それぞれの国の経済成長を牽引している。特に中国は7年連続で20%増以上の伸び率を続けており、07年には米国を抜き、08年には世界一となる勢いである。主要国の輸出の特徴としては、ドイツは自動車、産業機械、化学品、医薬品が全体を牽引し、輸出先の約70%をEU 域内であること。米国は自動車、航空機、産業機械、工業用原料、通信機、半導体、農産物と幅広く、カナダ、EU、中南米が輸出先となる。中国はパソコンの割合が極めて高く、ついで民生用電子機械 衣料、雑貨となり、米欧を中心に日本などアジア、アフリカにも幅広く輸出している。日本は自動車、産業機械、半導体、民生用電子機械、工作機械と幅広く輸出先も米欧、中国  韓国  台湾 ASEANと広範囲であるが、ドイツや米国と比べるとまだ近隣地域との分業が薄い感じがする。日本は好調な輸出によって経済成長を謳歌しているが、ユーロ、ドル、元に対する円安の影響はあるにしても、輸出額や伸び率では上位3カ国よりも劣っており、日本からの輸出を更に拡大しなければ経済成長は相対的に低下することになる。今後も持続的な成長を続けるには国際競争力を一層強化し、高い成長が期待される海外市場を開拓する必要がある。

'07.7.20.朝日新聞

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