散歩道<1856>
経済気象台(187)・日本システム考証
このところ、日本の社会や経済の中核を形ずくっているシステムの混乱が目立っている。東京証券取引所やNTT、全日本・・・。そして揚げ句の果てに社会保険庁でる。ことここにいたっては、国のシステム全体に渡って、再検討することが必要だと思われる。システムを作り上げる上で最も重要なのは次の4つである。第一にその信頼度だ。第二には、それがスケーラブルなことだ。環境、条件の変化に対応できるように考えられているかどうかだ。子供の服を例にとると、子供はどんどん大きくなっていく。それにあわせて、きちんとデザインできるかどうかだ。第三は、操作が安全で容易であることだ。立派なシステムも使用者にフレンドリーでなければ失格である。最後に、最も注意すべきなのが、コストパフォーマンスだ。阪神大震災後、「この地震国で何とか安全な都市システムを構築できないものか」と問われた権威の一人が「それは簡単ですよ。国家予算の2年分地震対策にまわせばいいんです」と平然と言い放ったのを思い出す。保険庁システムの混乱に対する政治システムの対応もお粗末だった。乱発される指示は統一性がなく、混乱が混乱を生み、対策は泥沼式に屋上屋を重ね、本質的問題は放置されたままだ。世の中全てコンピューターで片付く風潮があるが、コンピューターが読めるのは*4コード化された記号だけだ。コード化するには人手がいる。大量の資料をコード化する手続きやコストは膨大で、雲をつかむような話である。政府は二言目には、「国民のため」というが、いずれこれらのコストは国民に降りかかってくる。ここまでくれば申請者にはとりあえず、社会保障「的」費用として応じる方が、合理的ではないかとすら思えてくる。
'07.7.18朝日新聞
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