散歩道<1848> 

                    歴史は生きている・東アジア(1)・歴史は勝利者によって描かれる       (1)〜(3)続く         

 私は歴史作家であり、どの時代をとりあげても、常に現代史を意識している。これはわが仕事の基本で、近代アジアの10大事件に殷墟(いんきょ)の発見を選んだのもそのためだ。
 真っ先に挙げたいのはやはりアヘン戦争だ。東と西が出会い、近代史が始まった。清王朝は、陸つまりロシアの進出を防がなければならないという「塞坊派」(さいほう)と、海からの侵略に備えるべきだという「海坊派」とにわかれていた。林則徐は塞坊派で、アヘンの流入もこれは貿易問題だという考えだった。
 当時の東アジアは中国を中心に冊封体制で、清は琉球王国からも留学生を受け入れ、その中に薩摩の人も紛れ込んでいた。明治維新で薩摩藩が活躍したのは交流を通じて中国から情報が入り、開国を迫られるのが近いと感じていたからだ。それが身にしみて分ったのがアヘン戦争の情報だった。
 

'07.6.25.朝日新聞・作家・陳舜臣(ちんしゅんしん)

備考:陳舜臣氏が選んだ10大出来事とは、1、アヘン戦争、2、日清・日露戦争、3、韓国併合、4、辛亥革命と5・4運動、5、日本の15年戦争(満州事変から敗戦まで),6、中華人民共和国の樹立、7、朝鮮戦争、8、中国での文化大革命、9、中国の改革・開放政策、10、殷墟(殷王朝の遺構)発掘

備考:散歩道<2232>小倉和夫氏が選んだ10大出来事とは、

備考:*1韓国では日本による強制的占領(強占)と呼んでいるそうです。