散歩道<1797>
異見新言・日本の平和主義(2) (1)〜(4)続く
歴史を未来につなぐ政策を
○ ○ 広島市の「決意」
日本の平和主義は、もちろん単なる「恨み」で彩られたものであってはならない。「恨み」を基盤にした平和主義であっては、未来発展的なエネルギーは生まれない。しかし「恨み」を消すために「しょうがない」と過去の歴史を安易に処理することも生産的ではない。どのように「恨み」あるいは「諦め」を(あきらめ)克服していき続けていくかは平和主義のあり方をきめる重要な点である。例えば武力紛争後に問われる「平和構築」においても、「恨み」を超えて、未来に希望を持てる社会を作ることが、大きな目標になる。しかし過去を忘れようと呼びかけるだけで、望ましい「平和構築」が生まれるわけではない。紛争地に赴いていたづらに「恨むな」と諭してみても、人間の自然な感情に訴えることは決してできない。必要なのは、様々なレベルで、過去を未来志向の政策の中で位置づけていくことである。
'07.7.7.・朝日新聞・広島大平和科学研究センター准教授・篠田 英明氏