散歩道<1691>
私の視点・日米関係(3)・成功物語第2巻を語ろう (1)〜(3)続く
そこで、日米同盟を保管する地域的枠組みの構築が必要になる。北朝鮮の例では、現在の6者協議が成果を生んだら、この協議を新たな北東アジアの地域的安全保障システムに発展させることは検討に値する。
折しも、従軍慰安問題で日本の首相の公式謝罪を求める決議が米下院に出されている。安倍首相は「これまでの政府の立場を踏襲し、元慰安婦のかたがたに同情する」と言っており、その対応は正しい。ただ、戦争中の慰安婦組織や施設の存在について、戦争中は「しかたがない」と思われていたようなことでも、今日ではみんなが道徳的・同義的にダメだと考えるようになった。時代とともに価値観が変わることを認識しないと、対応を誤る恐れがある。
戦後半世紀の日米関係は近代史で例を見ないほどの成功物語だった。敗戦国と戦勝国でありながら人、物、カネ、情報の面で幅広く重層的に交流を深めた。この成功物語の第2巻を書くことが、21世紀の日米共通の課題だ。北朝鮮やイラクも大事な問題だが、安倍首相には、そうした長期的な視点からブッシュ大統領と話しあってほしい。
'07.4.26.朝日新聞・元駐米大使・栗山 尚一氏