散歩道<1652>
時流持論(2)・筋目の日本外交に4提言 (1)〜(4)続く
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今日、米国の圧力の下で国内体制を変えていくという時代ではなくなった。一方、経済の低迷と近隣諸国、とりわけ中国の高い経済成長の結果、東アジアで圧倒的な大国であった日本の地位は危うくなっている。ならばもう外国から批判される筋合いはない、そういう意識もはたらいてのことだろうか、日本の主張を前面に出そうという声が強まり、諸外国には日本にもナショナリズムが高揚してきたと見る向きもある。国際社会も秩序変化の兆しがある。イラク政策の失敗が米国の政策に及ぼす影響は小さくない。米国は、その軍事力の行使のあり方を含め、対外関係への取り組みに、より慎重になっていくだろう。中国は、政治的自由を求める国民の要求に共産党一党体制の下でどう折り合いをつけるのか、国内の著しい所得格差をどうするのか、といった深刻な問題を抱えつつも、高い成長を続け、軍事力も政治的影響力も拡大を続けると思う。
’07.1.15.朝日新聞・日本国際交流センターシニアフェロー・田中 均氏
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