散歩道<1542>                     (1)〜(5)

            鶴見俊輔さんと語る(2)・核と戦後民主主義 
                     
  戦後の焼け野原の風景が、憲法の前文・9条につながった(鶴見)このままだと、核という魔物に乗っかった平和しかないことに

 鶴見 ところが、アメリカに何か言うことは、大学で学んだ人間のすることではないと思っている人たちがいる。民族が国でまとまるという考え方は、見込みのある生産的な考え方だ。ところが、サラエボから始まり原爆投下にいたった2つの大戦を経て分かったことは、国というものが保持されて、国に国民が服従する限り、人類そのものの歴史が続かないということだ。科学者が国家のビッグマネーとつながって原爆を作り、落としてしまうんだ。新しい形ができなきゃいけない。「おくにはどこですか」と問うときの「くに」から地域を考え、国家へは不服従の態度をとる立場があるだろう。沖縄の王朝やアイヌの理想と統治から、積極的な意味を引き出さねばならない。
 姜 北朝鮮を見るとき、格子窓から定型化されたものを見ているのかもしれない。北朝鮮が米国と50年以上休戦協定のまま対峙している歴史から、異なる見方が出来るのではないか。朝鮮半島の分断が解消されたとき、国や民族がただ一緒になるというのとは違う何かをつくれるかどうか。日本と朝鮮半島の人口あわせると2億人。東アジアのコアになってほしい。

'06.10.24.朝日新聞・鶴見俊輔さんと政治学者・妻尚中さんが語る