散歩道<1455>

                政態拝見・空回りの教育・現場の叫び吸い上げてこそ(1)          (1)〜(3)続く

 このズレはなんだろうか。教育問題についての国会と現場との関係である。教育基本法が初めて改正された。衆院で16時間、参院で84時間の審議が続いた。「わが国と郷土を愛する態度をやしなう」という内容が盛り込まれた。この改正により、教育の国家管理が強まることが心配される。論戦の中では政府主催のタウンミーティングで「やらせ」が横行し、法外な経費がかけられていたことも、次々と明らかになった。審議を聞いていて、ずっと腑に落ちなかったのがこの改正で日本の教育が本当によくなるのか。という点だ。安倍首相は「先生が安心して教育に専念できる環境を作らなくてはならない」と強調した。「実績を上げた先生には、それにふさわしい処遇をして頂きたい」とも答弁した。教育にも競争原理を導入するのだという。伊吹文化相は「よい先生にめぐり合うことが、教育の最大のポイントだ」「ほとんどの教師が地域や家庭の仕事も引き受けて忙しくなっている。少しでも緩和できるよう、予算面でも緩和したい」などと語った。それでも、子供たちが生き生きと学べる教育の場が出来るのか。その道筋はみえなかった。

'06.12.19.朝日新聞・編集委員・星 浩氏

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