散歩道<1449>

                        思潮21・世界史と日本史(5)                   (1)〜(5)続く  

 地歴科の必修科目を世界史だけに期待した点に問題がある。もちろん地歴個別の科目は残しておいてよい。しかし、日本史と世界史を結びつけながら、フエルナン・ブローデルの『地中海』のように地理的要素を吸収した「歴史」や「新しい世界史」を現行の世界史に変わって必修科目とすることは、二十一世紀にふさわしい教育の理想にもつながる。ナショナリズムとグロバリゼーションを中和させ、対話と文化交流の精神をもった「歴史や」「新しい世界史」の必修化こそ新時代にふさわしい教育といえよう。このためには拙速を避け、現在審議中とおぼしき次期改定作業の先を見据えた新たな学習指導要領のために、現場での豊富な実践例を集めながら、教育再生を検討する粘り強い準備を期待しておきたい。これもそれも、歴史の書物との出会いや先人との邂逅(かいこう)は楽しいことを若者たちに伝えたいからだ。江戸時代の先人も詠(うた)っているではないか。「たのしみはそぞろ読みゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人をみし時(橘曙覧)*1(たちばなあけみ)

'06.12.11.朝日新聞東京大教授・山内昌之氏


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備考:私の経験から言わせてもらうなら、議論する場合、歴史に造詣の浅い人は、深い人にまず勝つことはないでしょう。

<54>クリントン大統領と国文学者・*1橘曙覧
「楽しみは 朝起きいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」という和歌を、1995年天皇陛下が始めてアメリカを訪問されたとき、クリントン大統領は以下のようにスピーチしています。そのメッセージは次のようなものです。
It is pleasure rising in the morning I go outside and find that a flower has bloomed that was not there yesterday

<1085>星浩・*1橘曙覧・「たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどひ 頭(かしら)ならべて 物をくう時」

備考:散歩道はこの<1449>回で1400回になりました。
2006年12月20日     


                                                 

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