散歩道<1433> 以前の散歩道<466>→<1240>、<467>→<1241>、468→<1433> に移動しました2006年12月14日
幸せ大国をめざして・未来を選ぶ(3)・格差社会・狭き雇用迫る不安
「所得格差は今後、いやおうなく進む、低所得者が多数派になる」かって「1億総中流」といわれた日本は、今では主要国でも格差が大きい国のひとつだ。経済協力機構(OECD)によると、その国の平均的な世帯所得の半分以下しかない人口比率(00年)日本が15.3%OECD諸国平均の10.2%を大きく上回り5%にとどまるデンマークやスウェデンなどの北欧諸国の3倍にのぼる。加盟国で日本より比率が高いのはメキシコ、米国、トルコ、アイルランドの4カ国だけだ。このところの急速な格差拡大には。勤労所得のない高齢者の増加という構造要因、経済活力を引き出す為に相続税や所得税の最高率を軽減するなどの政策要因が背景にある。ほかに大きな要因となっていると見られるのが雇用形態の変化だ。バルブ崩壊後多くの企業がリストラの為に新規採用を抑え、契約や派遣といった非正社員を増やした。10年間でほぼ1.5倍に増え。03年には3人に1人が非正社員になった。そのあおりで正社員をめざす若者の就職は狭き門になった。東京渋谷の30歳未満が対象の「ヤングハローワーク」がある。相談窓口は求人情報を探す若者で連日一杯だ。「企業から即戦力しかいらないと言われるが、経験をつむ機会がない。このまま年を取ることを想像すると不安で仕方がない」と、危険物取り扱いなどの10以上の資格をもち、さらに好条件の職場を求めているがまだ再就職できないでアルバイト収入で暮らしている。医療関係の仕事につくのが夢。でも年齢的に経験の蓄積がない点でも、益々不利になっていく」という契約社員として働く女性。15〜34歳のフリータ人口は01年に417万人。10年で2倍に増えた。学生や主婦を除くと、世代人口の5人に1人がフリーターだ。多くは正社員になることを望みながら、かなえられない状態に置かれている。一方ニート層も増えている。最近は景気回復の動きや団塊の世代の大量退職を控え再びせ正式社員を増やす企業もあるが小幅にとどまっている。このまま若者の就職難が長期化すれば、さらに広い世代での雇用問題に発展する。35歳以上の「中高年フリーター」は01年時点で46万人。UFJ総合研究所は今月2021年には200万人に増える」という試算をだした。フリーターの平均年収は100万〜200万円そのまま一生を過ごせば生涯賃金は正社員の4分の1になる、社会保障の厚さでも大きな差が出る。低収入世帯は子供の教育にもお金がかけられず。親の格差が子に受け継がれる。「機会不平等」社会にもつながりかねない。「格差が大きいとされる米国でも大学の奨学金制度が充実しており、本人の努力で次第で高所得層に上がれる機会がある。日本では格差だけでなく、階層が固定化する兆候があると指摘する。フリーターの増加は企業の短期的な収益には貢献しても、十分な職業経験をつめない人々が増えて有能な人材が不足するなど社会的に大きな損失となる可能性がある。戦後の日本企業は終身雇用によって長期的に社内で経験をつませ、技能を身に付けた人材を育てた。低成長となり国際競争にもさらされた企業はその余裕はなくなった。経験をつむ場所を狭められた若者が職業能力を高める機会を、国や地方、教育界も巻き込んでつくっていく必要が高まっている。正社員と非正社員の格差の弊害を除こうという試みもでてきた。ピアスグループ(化粧品)、昨秋、雇用形態に差をつけない「同一労働・同意・賃金」制度を導入した。欧州では一般的な手法だ。旧制度では、売場の4分の3を占める契約社員の収入は同じ内容でも正社員の7割にとどまっていた。これに不満で短期間にやめていく契約社員が相次いだ。制度改正に動いた。「雇用形態でなく業績で決まるなら、結果として収入差がでても納得できる」と話す。「一定の格差が生まれざるを得ないにしても、過程が多くの人に受け入れられるものでなければいけない。格差を固定させない仕組みも必要」と指摘する。フリーターという生き方を選べる自由がある社会も悪くない。だが望まないのに、低賃金で不安定な雇用状態に置かれる人が増え続けるようでは、若者の持つ可能性を引き出せる社会は開けない。(朝日05.4.17)
関連記事:散歩道・<275>ラブロック100年の視野(1)、<276>(2)、<347>先人達の教え今に活かそう、<386>講演会科学技術、<387>科学技術パネルデスカッション(1)、<388>(2)、<389>(3)、<411>スローライフ・マングローブの樹、<424>一人ぼっちのユートピア、<444>作家・五木寛之様に聞く、<443>もったいない、
<468>幸せ大国めざして・格差社会、<491>幸せ大国めざして・格差拡大・結果と機会、<492>幸せ大国めざして・成果主義、<883>日本は格差社会か橘木俊詔様(1)〜(3)、<886>日本は格差社会か大竹文雄様(1)〜(3)、<930>春闘要求・格差是正(1)〜(2)、<1003>思潮21・格差社会再考(1)〜(3)、<1070>格差社会に豊かさ指標を、<1140>格差拡大イメージ先行、<1174>時を読む・格差社会(1)〜(3)、<1214>経済気象台・格差拡大は現実か、<1257>安倍新政権・格差・教育(1)〜(3)、
