散歩道<1287>
安倍政権、東アジア外交の今後(3)・「中韓改善」まず安全運転 (1)〜(4)続く
今後、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や、12月の東南アジア諸国連合(ASEAN)+日中韓の首脳会談の場で、中韓との2国間、3国間の首脳会談を持ち、関係を進展させることができるか否かがカギになる。歴史問題の争点化を避けるだけでなく、専門家による共同研究を勧めることが考えられる。さらに、中国とは東シナ海の海底ガス田開発問題について、韓国とは竹島問題について実務的な解決を図り、東アジア共同体構想や経済、環境、エネルギ−などでの協力を具体的に提起できるかどうかが注目点となるだろう。来年には中韓の首脳の訪日によって、未来志向の協力関係を本格的に打出せる可能性が見えてくる。つまり、安倍首相としては来年夏の参院選のころまでは安全運転でいき、アジア外交の再構築が軌道に乗るか否かを見極めた後、来年の終戦記念日や秋季例大祭に向けて靖国参拝をどうするかを決める、段階的、斬新的なアジア外交再構築を目指しているように見える。それは、靖国参拝をめぐって湧き上がった関係国の国民感情を沈静化していくために妥当な手法であろう。
'06.10.11.朝日新聞・京都大学教授・中西 寛氏
