散歩道<1232>
思潮21・公と私・人情と事理をはかり政治はバランス保て(4) (1)〜(4)続く
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「公私は、事に在り、又(また)情に在り、事公にして情私なる者之(こ)れ有り。事私にして情公なる者之れ有り。政を為(な)す者、宜(よろ)しく人情事理軽重の処を権衛して、以(もっ)て其(そ)の中を民に用ふべし」(佐藤一斎『言志四録』)という訓戒はいまでもあてはまるのではないか。さながら公と私は、外交や内政という物事にも存在し、それを担う政治家の心情にも存在する。事柄は公的であっても、私的な情がそれにからむ場合もあり、反対の場合もある。政治家はよく人情と事理との軽重の度合いを測りながら、ほど良いあたりを国民に示すべきである、と。国民も、大局観を無視して「私」の感性を「公」の空間に直結させる風潮を反省すべきであろう。政治家にとって「心の問題」は「私」の領域だけで処理されるものではない。領土や海洋資源をめぐる未解決の問題も内政と外交の相互作用の「なかに位置ずけ、ポピュラリズムに陥ることなく、公私バランスのとれた政治選択をする努力を新首相に期待しておきたい。
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'06.9.4.朝日新聞・東京大教授・山内 昌之氏 