散歩道<1220>
  
                      三者三論・中心市街地再生のカギは
                             
所有者意識より公共性を(2)
     (1)〜(3)続く
             地方の商店街が衰退している。大型店の郊外進出規制などの対策が始まるが、街は活性化するか  

 これに対し、欧州では、多くの国が都市計画の公共性を優先し、土地所有者の権利を大幅に制限している。英国では欧州で最も規制が緩やかだとされるが、そこでも、自冶体は特定の敷地ごとに住宅を何棟建設するといった形で細かく開発計画を定めており。事前に近隣住宅や自冶体の同意を得なければ、所有者といえども勝手に開発することはできない。86年にオックスホード市で起きた事件は象徴的だ。住民が自宅の屋根に大きなサメのオブジェを設置したところ、自冶体が「街の雰囲気を壊す」と撤去を求める住民運動が起きた。最終的には環境省が「設置は可」と判断したが、9月ごとにペンキを塗り替え、午後10時半以降はサメの電気を消すという条件がつけられた。日本人は「自分の家にサメをつけて何が問題なのか」と思うだろうが、英国ではこうした積み重ねで、住環境や街の姿を維持している。

'06.8.18.朝日新聞・名城大教授・海道清信氏