散歩道<1192>
私の視点・「小さな政府」論争・3つの誤解を改める時(3) (1)〜(3)続く
こうした誤解から開放されるなら、三つの結論が導きだされよう。まず、日本が競争力の高い市場を創出し、維持し、調整するには、政府の積極的関与が必要という点だ。2番目に、日本の指導者は政府の歳出規模を問題にするより、その中身にもっと注目すべきである。私は、必ずしも大きな政府がいいと言っているわけではない。歳出カットではなく、歳出の優先順位を見極めなければならない。無駄な公共事業や特定産業の補助金など、非生産的な分野の歳出は削り、教育や保険、その他の社会サービス分野の歳出は増やすべきである。又、単に公務員を削減するのではなく、政府の効率を高めることにもっと目を向ける必要がある。つまり、より(効果的な歳出と効率のいい政府運営ができるような人員を配置し、その一方で不必要な人員は削除していくべきだ。3つ目に、日本政府は経済面だけでなく社会大国になる努力を惜しむべきでない。日本が教育、保険、治安などの分野で優れた社会的パフォーマンスを維持し、向上させるためには、政府の役割は極めて重要である。
'06.9.2.朝日新聞・カリフォルニア大バークリー校準教授・スティブン・ボーゲル