散歩道<1172>
「好感」のありか・目に見える「親しさに」安心(2) (1)〜(3)続く
他者への道開く?自己開示
ミクシィを研究する早稲田大IT戦略研究所の調査員、青木孝次さんは「人間関係が可視化されることで、安心感を生んでいる」と分析する。入会後、活動の拠点となる「ホ−ム」ページ。ここに自分のプロフイルや「日記」、「マイミク」と呼ばれる知り合いのリストが載っている。日記は知り合いに公開され、誰が読みにきたかが「足あと」とよばれる機能で記録される。日記を見せる相手を選ぶ機能もある。知り合い同士の「親しさに」が目に見えるようになっているため、乱暴なふるまいをしにくく、居心地よい空間が保たれる。数年前からテレビのバラエティー番組やネット上でしばしば放たれるセリフがある。「空気を読め!」「キャラかぶってるよ!」前者は場の雰囲気を察することを求め、後者は人とは違う役割を促す。同調圧力の高さ、居心地の悪さが漂う。ネットでもしばしば「沈黙の螺旋(らせん)」がおきる。発言の場を支配する権力や多数者に押されて少数者が意見を言いにくくなり、ますます存在が軽視されてしまう現象を指す。青木さんは「SNSは『沈黙の螺旋(らせん)』を回避することにもなる」という。「情報網を止めて人が集まるサービスが主流だったネットの中で、人が中心につながりが生まれるSNSでは、何かを発信しなければ始まらないのだから」。実際、ネットでは圧倒的多数を占める、情報を読むだけのメンバーがほとんどいない。2ちゃんねるなら、「議論の格闘技をしたい人が集まる場所」(山崎さん)だけに「観客も多いのだけれど」。
'06.8.24.朝日新聞
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