散歩道<1102>
オーケストラー本場苦闘(1)・ドイツで相次ぐ解散・合併・リストラ (1)〜(2)続く
細る助成団員”悲壮”
クラシック音楽 の本場ドイツで、オーケストラーが苦闘している。景気低迷のあおりで国や自冶体の助成金が削減され、資金不足を補うスポンサーもなかなか見つからないでいる。若者のクラシック離れも止まらず、解散や合併、リストラなど受難が続く。バッハやベートーベンらの屈指の音楽家が排出してきた「音楽の国」で今、オーケストラーが「再興」を目指して、クラシックフアン層の掘り起こしに懸命だ。バッハの活躍で知られた東部ライプチヒから東へ20キロのベーレン。人口7千人の市の一角に今年創立43年の西ザクセン・シンホニーオーケストラーの拠点がある。施設はあちこちで壁がはがれ、窓にひびが入ったままだ。火事で焼けたコンサートホールは4年間放置されている。ベーレンや周辺の失業率は全国平均の2倍の20%を超える。同オーケストラーは周辺自冶体から助成を受けているが、ここ数年削減され経営難にあえぐ。メンバーら約50人の給与カット、収入をあげるためコンサート回数を大幅に増やし、昨年は過去最高の115回に及んだ。メンバーの30代の男性は「オーケストラーがいつ解散してしまうか不安でたまらない。給与だけではとても暮らせず、休みの日もアルバイト生活だ」と嘆く。オーケストラーに情報提供や助言などをする独オーケストラー協会によると、オーケストラー収入の80%は国や自冶体からの助成が占める。だが景気低迷で削減傾向が強まり、04年には3年前よりオーケストラーを含む文化助成は5億ユーロ(700億円)削減された。コンサートの収入も伸びくやみ、財政難で解散や合併にいたるケースが出ている。92年に168を数えたオーケストラーは昨年末135に減った。メンバーのリストラも相次ぎ、約1万2千人が1万人になった。首都ベルリンも例外ではなく旧西ベルリンのオーケストラーが解散、名門ベルリン放送交響楽でさえ合併話が話題になるほどだ。オーケストラーの将来を不安視してクラシック音楽を学ぼうとする大学生や音楽生も減る傾向にある。最近の独メディアでは「クラシック音楽の文化面での存在意義が薄れてきた」(ウエルト紙)といった悲劇的な記事も目立つ。
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