散歩道<1034>
面白い話(118)・内幕・きっかけ
かたえくぼ:ガルブレイス逝く:ますます不確実な時代に向かっています・・・・・・・・・庶民(フーさん)
第3者には容易に入り込めなぬ場所「内幕」
戦国時代の野戦では、大将の寝首を掻かれたら一巻の終わりというわけで、外幕のさらに内側に、上部を横幅に、下部を縦幅に縫い合わせた「内幕」を張り巡らし、鼠1匹通れぬように警戒するのが普通だった。一般の武士では中の様子がなかなかうかがえないとあって、近在の農家から強奪した娘を連れ込んでよからぬ振る舞いに及ぶ大将もいた。敗戦後、一般庶民には入り込めなかった日本の様々な内幕をのぞいて、内情を暴露したのが、『日本の内幕』を書いたジョン・ガンサ−である。横幅、縦幅を容赦なくひきはがした内容は、読者に大きな衝撃を与え、たちまちベストセラ−になった。樋口清之様
合図がなければ、舞台は進行しない「きっかけ」
歌舞伎の客も相当の通にならないと、「音羽屋!」(おとわ)といったタイミングを図った掛け声は掛けられない。勘所をまちがえると、これほどバツの悪いものはないが、声を掛けられる役者にしても同じこと、たとえば、一幕のなかのいちばんの絶頂で見得(みえ)をきっても、照明や音楽とぴったりと合わないと、全てがだいなしとなってしまう。そんなことがないように、役者と裏方は、「切り掛け」(きりかけ)といって、あらかじめスタートの合図をきめておいた。これから「きっかけ」という言葉が出たものだが、ものごとをスムーズに進めるためには、何はともあれきっかけがだいじなことは、役者もサラリーマンも同じだ。樋口清之様