散歩道<1013>
                       靖国米国はどう見てますか(3)                 (1)〜(3)続く
               日本の立場弱めている・挑発避け、配慮が重要・日米同盟の深化は評価

・・・・・日本とアジアの関係がぎくしゃくしても、日本には日米同盟があるから大丈夫と言う声がありますが。「それはどうでしょうか。勿論日米同盟はそれ自体で価値のあるものです。しかし、歴史問題の為に、日本が米国としか話が出来ないということになると、米国にとっても日本の意義はかなり小さくなります。大事なのは、韓国や東南アジア全体できちんとした役割を日本が果たすことです。中国の力が大きくなると、そういったアジアの国々が重要になってくる。かれらも又歴史問題に影響されます。」・・・・・、歴史問題は日中関係にとどまらず日本外交全体に響を与えるというわけですね。「日本は中国に対する影響力を失っているため、ロシアや東アジア、他の地域に対する日本の影響力も低下しています。外交とはそういうものです。日本が米国にしか頼れないというと、日本の米国に対する発言力すら低下します。ひとつの選択肢しか持たない国は、意見を尊重されなくなる可能性がある。現実主義者なら誰でもわかることでしょう」。・・・・・歴史問題は微妙です。かって戦かった国民同士が、歴史観を共有できますか。「それは確かに難しい。だが、歴史問題で相手をわざわざ挑発する事は無いでしょう。日米はかって敵国同士でした。両国民は自分の国を信じて戦いました。そのことは当然だと思います。私の父のいとこは、真珠湾で戦死しました。しかし、私たちは今日、過去を過去として乗り越えねばならないのです。かって、95年ですが、当時のモンデー駐日大使が東京大空襲の記念式典に出たことがありました」 ・・・・・・当時の新聞にもでていましたね。大使はどんな考えで何をされたのですか? 「大使は後ろの方で黙って座っていました。出席は、大使の判断による個人的なものです。でも、犠牲者の遺族には気持ちが通じたのではないでしょうか。政府の公式的立場を損なわない範囲で、できることはあるものです。そういうやり方で、彼は空襲の犠牲者に配慮をしめしました」・・・・・今後は、歴史問題にはどのような取り組みが必要と思いますか。「米国が公式に直接、この問題に介入すべきではありません。むしろ、政府ではない民間レベルで協議することが望ましい。それも多国間の枠組みです。日米中の3カ国でなく、多くの国、例えば、カナダやスエーデン、ドイツなどの善意の第三国、さらには歴史問題に直接かかわりのない他の国などが加わることが望ましいと思います」

'06.5.5.朝日新聞・ジョンズ・ホプキンズ大ライシャワー東アジア研究所長ケント・カルダー氏に聞く

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